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武田薬品工業 湘南研究所プロジェクト 概要

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プロジェクト概要世界一の規模と言われる医薬研究所

「創薬」を実現するために、社運を賭けて生まれた 都市のようなスケールを持つ医薬研究所。

武田薬品工業が総工費約1,470億円を投じて設立した、地上10階建、延床面積31万m2を超える、世界最大級の医薬研究所。神奈川県藤沢市、鎌倉市にまたがる旧湘南工場跡地に建てられた。それまで大阪市とつくば市を拠点としてきた創薬研究機能を統合し、グローバル研究体制の中核を担う。2011年2月に竣工式を行い、同年11月に開所。現在、約1,300人の社員、委託先等も含めると約1,800人が利用している。

大規模な研究所開設の最大のミッションは「創薬」だ。
異なる研究分野同士の創発的なコミュニケーションを促す建物の構成に、その意志はあらわれている。5棟の研究棟を長さ約300mの「ブロードウェイ」と呼ばれるメイン動線がつなぐ明快な構成で、ブロードウェイに沿って会議室や多目的室「ノマド」が並ぶ。ラボラトリーは、実験室と研究スペースが隣接し、ガラス壁で区切られた機能的なつくりだ。
実験室の上下部には設備の保守や更新がしやすいよう、1層分の高さのISS(インターステイシャル・スペース)が設けられている。机や什器はモジュール化され、プロジェクトごと臨機応変に機材や人の移動がしやすいよう工夫されている。
施設内には、研究生活を支える多様な施設が備えられている。450名収容の講堂、ゆったりとしたカフェテリアやバー、スポーツジム、コンビニエンスストア、保育施設などさまざまな文化・生活施設を擁し、1つの都市のようなスケールと規模を持つ研究所となっている。
巨大な建物は免震層も世界最大級。5棟を一体で支えるもので、設置された免震装置456台、オイルダンパーは40台にのぼるという。

この施設を21ヶ月半という2年に満たない短工期で実現し、短い期間でスムーズに開設まで持っていくためには、品質やコスト、工法や工期、そして運営までを含むプロジェクトの体制づくりが鍵となった。早い段階から武田薬品工業、設計事務所、施工会社、さらには実験設備機器メーカーまで、施設に関わるさまざまなステークホルダーを含む会議体を構成し、スムーズな意思決定ができる体制を構築。実施設計フェイズでは10ヶ月間、大阪の旧研究所の敷地内に設計室を用意し、関係各社が顔をつきあわせてプロジェクトに打ち込むことができる環境を整えた。
発注・生産手法の工夫や徹底したVE提案、調達におけるリバースオークションの活用等により、総工費を契約上の工費であった1,470億円以内におさめ、施工面では躯体と設備のユニット化、複数の工程の同時進行といった工夫が込められ、予定した工期より早く竣工までこぎつけた。

  • 5つの研究棟をメイン動線「ブロードウェイ」でつないだ巨大な施設。棟ごとに研究分野の近いラボラトリーが入っており、水平動線で分野を超えた連携をはかる計画となっている。 5つの研究棟をメイン動線「ブロードウェイ」でつないだ巨大な施設。
    棟ごとに研究分野の近いラボラトリーが入っており、水平動線で分野を超えた連携をはかる計画となっている。
  • エントランスゲート。白い低層棟は「センターステーション」と呼ばれる事務棟。 エントランスゲート。白い低層棟は「センターステーション」と呼ばれる事務棟。
  • 建物の平面は、長手方向が約330m。施設に平行して走るJR線の車窓からもよく見える。 建物の平面は、長手方向が約330m。施設に平行して走るJR線の車窓からもよく見える。
  • 施設を東西に貫く「ブロードウェイ」。 施設を東西に貫く「ブロードウェイ」。
  • カフェテリア。長テーブルタイプのオーソドックスなものから、レストラン風の落ち着いた空間、来客用スペースなど、さまざまなシーンに活用できる場所がある。ここは窓辺の明るい空間。 カフェテリア。長テーブルタイプのオーソドックスなものから、レストラン風の落ち着いた空間、来客用スペースなど、さまざまなシーンに活用できる場所がある。ここは窓辺の明るい空間。
  • 左手は研究所内に設けられた保育施設「タケダキッズ」。広いスペース内は年齢別にブース分けされている。預託時間は朝8時から夜18時30分までが基本。 左手は研究所内に設けられた保育施設「タケダキッズ」。
    広いスペース内は年齢別にブース分けされている。預託時間は朝8時から夜18時30分までが基本。
  • ラボラトリー。研究スペースと実験室がガラス壁で区切られている。プロジェクトごと臨機応変に人の入れ替えができるよう机や什器はモジュール化されており、研究所内の引越しの際には引き出しごと荷物を運ぶだけで完了する。 ラボラトリー。研究スペースと実験室がガラス壁で区切られている。
    プロジェクトごと臨機応変に人の入れ替えができるよう机や什器はモジュール化されており、
    研究所内の引越しの際には引き出しごと荷物を運ぶだけで完了する。
  • 実験室の上部のISS(インターステイシャル・スペース)断面図。ISSは1階分の高さがあり、機器のメンテナンスや更新がしやすい仕様となっている。(提供:プランテック総合計画事務所) 実験室の上部のISS(インターステイシャル・スペース)断面図。ISSは1階分の高さがあり、
    機器のメンテナンスや更新がしやすい仕様となっている。(提供:プランテック総合計画事務所)
  • 敷地内に設置した公共のバスロータリー。大船駅、藤沢駅にアクセスする。 敷地内に設置した公共のバスロータリー。大船駅、藤沢駅にアクセスする。

■受賞一覧
第54回(2013年) BCS賞 (発注者・基本設計者・実施設計/施工者 受賞)
2013年度CM選奨/優秀賞 (山下グループ 受賞)
国際CMコンクール 準グランプリ (山下ピー・エム・コンサルタンツ 受賞)

プロジェクト概要

発注者・運営者 武田薬品工業株式会社
所在地 神奈川県藤沢市
建物用途 医薬(創薬)研究所
延床面積 約31万m2
規模・構造 地上10階、S造
(主要部CFT、マルチメガオープントラス)、免震構造
基本設計者・
工事監理者
プランテック総合計画事務所
実施設計者・
工事施工者
竹中工務店(コストオン専門会社:きんでん、大氣社、高砂熱学工業、朝日工業社、須賀工業、住友電設)
建物用途 医薬(創薬)研究所
CM業務期間 2007年4月~2011年10月
CMr 山下設計/山下PMC

■山下PMC担当者
川原秀仁、野村康典、鴨下清、炭山数文、多羅尾務(他に山下設計担当者との協業体制)

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