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武田薬品工業 湘南研究所プロジェクト アフターストーリー

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アフターストーリー2011年、移転後を振り返る

野村
移転してきた社員のほとんどが、この環境に満足していると感じます。計画当初から「共創」をテーマに掲げ、分野の近い研究室が重なる5つの棟をブロードウェイと呼ばれる廊下でつないだプランから、バイオロジストとケミストが同じフロアで話ができるよう工夫がなされていますが、これは上手くいっていますね。事前に思い描いていた大学との連携もできつつありますし、海外の人材採用もよい方向に向かっています。
採用予定の外国人を本研究所に連れてくると、環境と設備に感動して必ず就職してくれます。根本的なミッション「創薬」については、そもそも1品目の開発に15年といった時間がかかるものなので移転の影響はすぐには出にくいとは思いますが、長い目で期待していきたいと考えています。
橋口
研究所などを新設するにあたって、社内の意見をまとめ、設計事務所や建設会社に橋渡しをする専門家を、社内では抱えきれない時代になりつつあります。コンストラクション・マネジメントという職能は、社外の立場からこうした役割を、必要なときにきちんと果たしてくださるものだと感じています。
日頃からプロフェッショナルとしてマネジメントをなされているからこそ、実際のプロジェクトで優秀な設計会社や建設会社、専門工事会社を集め、統括し、折衝して、我々が願うものを形にできるのだと思います。コンストラクション・マネジメントは、現代において欠かせないものだと感じています。
  • 左より武田薬品工業の橋口昌平、同野村一彦、山下ピー・エム・コンサルタンツの川原秀仁、野村康典
    左より武田薬品工業の橋口昌平、同野村一彦、山下ピー・エム・コンサルタンツの川原秀仁、野村康典(敬称略)。

取材を振り返って 本プロジェクトにおける山下ピー・エム・コンサルタンツの最初の重要な仕事の1つが「会議体の構築」だと聞いたとき、目から鱗が落ちた。ハードを中心にプロジェクトを捉えがちな建設業の常識からは、かけ離れている。建物ではなく、建物に関係する人々を中心に置いた発想だ。
そして話を聞いていくうちに、プロジェクトがはじまってからの重要な役割は、その会議のマネジメントにあるということがわかってきた。会議で力を発揮するのは、フレームワークという概念と、各工程の進捗管理や、VEの進捗状況を示す、長大な表。これを見ると、いま置かれている状況の全体像と、その中での課題の両方を、誰もがひと目で理解できる。
マネジメントの方法に特徴的なのは、常にプロジェクトの全体像を示し、その中で誰がどの役割を果たすのかを把握できるように、意識的に動いているということだ。CM(コンストラクション・マネジメント)とはプロジェクトの全体像を把握し、登るべき山の高さと、今いる場所を示す羅針盤のような仕事だと感じた。それはその山が巨大に、複雑になりつつある時代だからこそ、より必要とされるのだろう。 平塚 桂(取材:2013年8月7日)

TEXT:平塚 桂
PHOTO:楠瀬 友将

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